しめじです!
ChatGPTに文章やコードを相談したあと、返ってきた内容を自分でファイルへ貼り付けていませんか?
今回やるのは、その手作業もChatGPTへ任せる設定です。
たとえば、商品やサービスを案内する販売ページ(LP)の文章を相談したあとに、
じゃあ、その案でこのファイルを直して、保存した中身も確認して。
と、そのまま続けて頼めるようにします。
そのために使うのが、Remote Desktop Commanderです。これは、ChatGPTから自分のPCにあるファイルを読んだり直したりするための接続ツールです。[S1]
このガイドでは、次の順番で進めます。
ChatGPTとPCをつなぐ ↓ 練習用のファイルを1つ作る ↓ 保存した中身まで確認する ↓ 別のチャットへ続きを引き継ぐ ↓ 自分の仕事へ置き換える
設定して終わりではなく、実際にファイルが作られ、中身を確認できるところまで進めてください。
このセットに入っているもの
ChatGPTとPCをつなぐ設定ガイド
AIに「触ってよい場所」を伝える作業ルール
開始・作業・再開・確認に使う4つの指示文
本当に動いたかを確認するチェック表
問い合わせ対応やFAQへ置き換える例
元投稿で書いた「ほぼ0%」「実質5倍」は、ぼくの環境で使った時の話です。今回渡すのは、その時に使った接続方法と指示文です。
この資料で扱うのは、ファイルを読む・作る・直す作業です。画面のクリックや、PCを常に動かし続ける設定は扱いません。
1.始める前に用意するもの
用意するのは次の3つです。
1. 自分が管理しているPC
2. 普段使っているChatGPTのアカウント
3. Remote Desktop Commanderのアカウント
初回設定はPCで行います。このガイドはMacで動作を確認した手順です。Remote Desktop Commander自体はmacOS・Windows・Linux向けに案内されています。[S1]
Node.jsを確認する
Remote Desktop Commanderを起動するために、PCへNode.jsが必要です。
ターミナルは、PCへ文字で命令を入力するアプリです。Macでは「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を開きます。WindowsではPowerShell又はWindows Terminalを開きます。
開いた画面へ、次を入力してください。
node --version
v22...のような数字が出れば、Node.jsは入っています。command not found等が出る場合は、Node.js公式サイトで「LTS」と表示された版を入れてください。LTSは、長期間サポートされる安定版という意味です。[S6]
Gitは、変更前へ戻したり、何を直したか記録したりする道具です。このガイドの練習でGitも使う場合は、次で確認します。
git --version
見つからない場合は、Git公式のOS別手順を使ってください。[S7]
最初は仕事のファイルを使わない
Remote Desktop Commanderは、接続したPCの利用者と同じ権限で動きます。文章で「このフォルダーだけ」と指示しても、OSのアクセス権そのものが狭くなるわけではありません。[S4]
そのため、最初は顧客情報・契約書・パスワード等が入っていない、空の練習用フォルダーを使います。
作業ルールの AGENTS.md も、AIに守らせる約束です。PCを完全に隔離する機能ではありません。まず練習用のデータで、どこまで動くかを確認してください。
2.PC側で接続を起動する
ターミナルを開き、次を実行します。[S1]
npx @wonderwhy-er/desktop-commander@latest remote
初回は、ブラウザーでRemote Desktop Commanderへのログインを求められます。
ターミナルとブラウザーに確認コードが表示された場合は、2つのコードが同じことを確認してから認証してください。
ターミナルに次の表示が出れば、PC側の接続は準備できています。
Device ready
作業中は、このターミナルを閉じないでください。PCがスリープしたり、接続用の処理を止めたりすると、ChatGPTから作業できなくなります。
ここで確認すること
Device ready が表示された
ログインしたアカウントが自分のもの
仕事の重要なファイルではなく、練習用フォルダーで試す準備ができた
3.ChatGPTからPCへつなぐ
ChatGPTの「アプリ」又は接続先を追加する画面で、Remote Desktop Commanderを探します。表示場所や名称は、利用しているChatGPTの画面によって異なる場合があります。[S2][S5]
PC側で使ったものと同じRemote Desktop Commanderアカウントで接続してください。
接続できたら、ChatGPTへ次のように送ります。
Remote Desktop Commanderで、接続済みの端末名だけ確認してください。 ファイルの内容や秘密情報はまだ読まないでください。
PCの名前が返ってきたら、ChatGPTとPCの接続はできています。
一覧にRemote Desktop Commanderが見つからない場合は、Remote Desktop Commanderの管理画面にあるAI接続案内を確認してください。カスタム接続に対応した環境では、公式の接続先 https://mcp.desktopcommander.app/mcp が案内されています。[S1][S2]
存在しない設定項目を探し続けたり、制限を回避する設定を追加したりはしません。使っているChatGPTで利用できる接続方法を確認して進めてください。
4.練習用フォルダーを作る
PCに、空のフォルダーを1つ作ります。名前は次のようにしてください。
chatgpt-work-test
保存場所の例:
Mac: /Users/あなたの名前/Documents/chatgpt-work-test Windows: C:\Users\あなたの名前\Documents\chatgpt-work-test
例のパスをそのまま使わず、自分のPCで実際に作った場所へ置き換えてください。
同梱の AGENTS.example.md を読み、このフォルダーへ AGENTS.md という名前で保存します。
AGENTS.md は、ChatGPTへ毎回守らせる作業ルールです。今回のひな形には、次の内容が入っています。
指定したフォルダー以外を触らない
パスワードや顧客情報を読まない
元のファイルを勝手に上書きしない
作業後に保存した中身を確認する
外部への公開や送信は、許可なく行わない
Windowsでファイルの拡張子が非表示の場合は、AGENTS.md.txt ではなく AGENTS.md になっていることも確認してください。
5.最初の1件を動かす
ここから、ChatGPTへ実際のファイル作業を頼みます。
まず、同梱の「指示文1:接続と初期準備」を送ります。指示文中の
【作業フォルダーの絶対パス】
を、さきほど作った chatgpt-work-test の実際の保存場所へ置き換えてください。
この指示文では、ChatGPTに次を確認させます。
1. 接続しているPC
2. 練習用フォルダーの場所
3. AGENTS.md の作業ルール
4. Gitを使えるか
5. 今回の進捗を残す TASK.md
次に「指示文2:最初の作業」を送ります。
練習用のメモを sample.txt へ保存し、その内容を読みやすい案内文へ直して draft.txt へ保存する指示です。
ここで確認したいのは、文章の良し悪しだけではありません。
元の sample.txt が残っている
新しい draft.txt が作られている
元のメモにない日付・URL・料金を勝手に足していない
ChatGPTが保存した本文を読み戻している
この4つまで確認できたら、ChatGPTへPC作業を頼む最初の流れは動いています。
AIの「できました」だけで終わらせない
ChatGPTが「保存しました」と返しても、実際のファイルがなければ作業は終わっていません。
同梱の「指示文4:変更点の確認」を使い、保存場所・本文・変更したファイルを確認してください。
Gitを使った場合は、今回のファイルだけが記録されているかも見ます。Gitは「いつ、何を変更したか」を残す道具です。すべてを一括で記録したり、他の仕事の変更まで混ぜたりしません。
6.別のチャットで続きを頼む
新しいチャットを開くたびに、前の作業を全部説明し直すのは面倒ですよね。
そこで、今のChatGPTに「ここまでの進捗」をファイルへ残してもらいます。
使うのは次の2つです。
TASK.md:進捗メモ
次の内容を残します。
今回の目的
終わったこと
まだ確認できていないこと
次にやること
最後に記録したGitの番号
AGENTS.md:毎回守る作業ルール
どのフォルダーを扱うか、何を読まないか、元のファイルをどう残すか等を残します。
新しいチャットでは、同梱の「指示文3:再開」を送ります。
AGENTS.mdとTASK.mdを読み、実際のファイルとGitの状態を確認してください。 すでに終わった作業は繰り返さず、残っている作業から続けてください。
という内容です。
ファイルを置くだけで、ChatGPTが自動的に全部覚えるわけではありません。新しいチャットの最初に、2つのファイルを読むように明示します。
また、TASK.mdに「完了」と書いてあっても、実際のファイルがなければ終わっていません。メモと実物を照合してから続きを進めます。
7.自分の仕事へ置き換える
最初の練習が動いたら、毎回同じ説明やコピペをしている仕事を1つ選びます。
たとえば、
Web制作の問い合わせへの返答
納品前に送る案内
講座で何度も聞かれる質問への回答
公開前の文章チェック
です。
いきなり仕事全体を自動化する必要はありません。元になる情報と完成形を説明できる仕事を1つ選ぶと、何を任せられたか確認しやすくなります。
FAQの下書きを作る例
次は、架空のWeb制作サービスを使った練習です。実際の料金・納期・契約条件ではありません。
Remote Desktop Commanderを使います。 作業フォルダーは【自分のテスト用フォルダーの絶対パス】です。 最初にAGENTS.mdとTASK.md、対象フォルダーの状態を確認してください。 次の架空の情報だけを使い、Web制作サービスのFAQを3問作ってください。 ・問い合わせは問い合わせフォームから受け付けます。 ・相談内容を確認した後に見積もりを出します。 ・修正回数、納期、料金は、ここには書いていません。 質問は「問い合わせ方法」「見積もりのタイミング」「修正回数」の3つです。 書いていない情報は作らず、修正回数は「個別に確認が必要」としてください。 練習用の下書きとしてdraft-faq.txtに新規保存してください。 同名ファイルがある場合は上書きせず、その状態を報告してください。 保存した本文を読み戻し、元情報にない数字や条件を足していないか確認してください。 外部への公開や送信はしません。Codexや別AIは起動しません。 最後に保存先、確認したこと、未確認のことを教えてください。
ここで見るのは、文章が丁寧かどうかだけではありません。
元にない「修正は3回まで」等の条件を、勝手に作っていないかを確認します。仕事で使う時は、公開してよい情報だけを渡し、お客さんへ送る前に人が内容を確認してください。
8.作業が早くなった後に考えること
この設定で減らせるのは、文章を貼り付ける、同じ説明を繰り返す、保存した内容を探す、といった手作業です。
ただ、早く終わった分だけ次の案件を入れたら、自由な時間は増えません。
今は売上を増やしたいなら、それでもいいと思います。自由に働きたいなら、その次に考えるのは、
自分が毎回やらなくてよい仕事は何か
元の資料と決まった指示で任せられる仕事は何か
毎回やり方が違い、自分の判断が必要な仕事は何か
です。
今回の設定は、このうち「AIへ任せられる仕事」を実際に試すためのものです。まず1つ任せてみると、自分がまだ毎回説明・判断している場所も見えやすくなります。
9.使い終わったら接続を止める
接続を始めたターミナルで Ctrl+C を押すと、Remote Desktop Commanderの接続を止められます。
ほかの作業に使っているターミナルや処理まで終了しないでください。
今後このPCから使わない場合は、Remote Desktop Commanderの管理画面で対象端末の認証を取り消し、ChatGPT側でも接続を解除します。[S4]
よくあるつまずき
PCは表示されるが、ファイルを扱えない
次の順で確認します。
1. PC側のターミナルに Device ready が残っているか
2. PCがスリープしていないか
3. ChatGPT側とPC側で、同じRemote Desktop Commanderアカウントを使っているか
4. 今のチャットでRemote Desktop Commanderを選べるか
AGENTS.mdを読んでくれない
ファイル名と保存場所を確認し、新しいチャットの最初に絶対パスを伝えて読ませます。AGENTS.md.txtになっていないかも確認してください。
「完了」と言うが、ファイルが見つからない
保存した場所を聞き、ChatGPT自身にそのファイルを読み戻させます。Gitを使った場合は、今回のファイルが記録されているかも確認します。
利用上限の表示が出た
ChatGPT、Remote Desktop Commander、別の外部サービスでは、利用条件がそれぞれ違います。どのサービスの表示かを確認し、エラーを無視して連続実行したり、別アカウントで回避したりはしません。[S2][S3]
Gitがあるから全部戻せる?
Gitで戻せるのは、Gitへ記録したファイルの変更です。
送信済みのLINEやメール、外部サービスで行った操作、Gitへ記録していないファイルまでは戻りません。外部への送信や公開は、ファイル編集とは別に確認してください。
参考資料
[S1] Remote Desktop Commander公式README・初期設定
https://github.com/desktop-commander/remote-desktop-commander
https://github.com/desktop-commander/remote-desktop-commander/blob/main/docs/SETUP.md
[S2] OpenAI公式・ChatGPTの接続アプリ
https://help.openai.com/en/articles/11487775-connectors-in-chatgpt
[S3] Desktop Commander公式料金
https://desktopcommander.app/pricing/
[S4] Remote Desktop Commander公式セキュリティ
https://github.com/desktop-commander/remote-desktop-commander/blob/main/SECURITY.md
[S5] OpenAI公式・ChatGPTとCodexのプラグイン
https://help.openai.com/en/articles/20001256
[S6] Node.js公式ダウンロード
https://nodejs.org/en/download
[S7] Git公式ダウンロード